昔コスプレをしていた人が話す万博でコスプレイヤーがうんぬんの話

最近コスプレは身内と以外でほとんどしていなんだけど、そんな僕の耳にまで入ってきたこの話題。好きなVTuberさんが何人か話題にしてたので…割と長い間コスプレ界隈を眺めてきた自分から感想をひとつ。
VTuberさん好きでこの話題に興味がでた人も良ければ聞いてください。
(なんか6000文字オーバーしたので超暇なひと向け)

事件や登場人物については詳しく知らんし知ってても言及するつもりが無いです。誹謗中傷する人以外に悪い人はそんなにいないと思うのですが、言及している方々の気持ちやら正義はそれぞれどこですれ違っているのかな~という事について、昔コスプレをしていた人間の視点からのお話です。

①多分月イチくらいで出ている話題(分かってる人はナナメ読みして)

これは多分色んなVTuberさんやら人気ツイッタラーさんも言っているので、こんなところまで記事読みにきた人はみんな分かってると思うし、僕やオタクは耳タコな話なんですが…どうしてもここから話さないといけないのでサクっと言います。この(1.)~(3.)をレイヤー分けして話せない人が大抵トラブル起こすイメージ。

(1.)「法律・ルール」の話
(2.)「マナー・思いやり」の話
(3.)「自分の感情・感想」の話

(1.)の話題をしてるのに(3.)の話題で突っかかってきたり、
(3.)の話題をしているのに(1.)の話題で突っかかってくる人です。
この人は分かりやすくクソリプだと思うんですが、自分の立場や規模や眺めてる視点で異なるから大体(2.)の話は単体でもややこしくなりますね。

ただこのレイヤーの切り分けは正直、「二次創作を今日からはじめましたって人」じゃない限り大抵できます。加えて、二次創作に携わってない人でもある程度理性的な状態なら一度この手の話題に触れたら分かるハズ。
たま~にわからない人がいて炎上するんだけど、個人的には1000人に1人しかいないようなこの段階の人、特にまだ若く大学にもまだ進学していない位の年齢の人の行動をわざわざ探してみつけて引用RTしたり名前を晒上げるってどうなのかなぁ…とは思う。
悪事千里を走るというか、この1000人に1人くらいしかいない人が目立つ、(時には陥れる目的をもって)目立たせるヤツがいるというのはSNSの非常によくないところだと思います。
仮に悪くても、多勢に無勢でネットリンチみたいになってる状況は見るに耐えないと思います。

②判断は施設管理者の裁量に委ねられるという妥当な結論とオタク側の視点

前項の(1.)に抵触しない限り、判断はその施設の管理者や責任者の裁量に委ねられることになると思います。
言うまでもないですが(1.)は必要最小限であるべきです。普通の人なら「じゃあ責任者に問い合わせればいいじゃん」ってのが答えになって…それは間違いなく正しいんだけど。
二次創作の場合は少し難しくてコンテンツホルダーが、「いや、聞かれたらダメって答えるしかないんだけど…みえないフリするからさ、本当に嫌だったら連絡するから!(あくまで想像)」というケースが多い。
特にアニメやゲームなんかは色んな人の権利が絡んでいるので誰かの一存でスナック感覚に「オッケー☆!!」って言えない事情がある(これは多分ほんとう)

最近はこの辺のポリシーを発信してくれるコンテンツホルダーさんが増えてきて頭が上がらない訳だけど、この感覚を理解できない二次創作に馴染みのない非オタクの人達が世間知らずかというと違うし、まして非難されるべきとは思わない。彼等の「なんでコンテンツホルダーに問合せないの?」って言う思考回路は至極正しいと思う。

これに関してはオタクやコンテンツ創作に関わる人の方が特殊な感覚で(間違いとは言っていない)、個人的にここの誤解で発生しうるリスク、公式さんの言ってる言葉の行間を読めなかった場合に被る損害、これらはコスプレを含む二次創作を行っているオタクが全員受け入れるべき責任だと思うんだけど、これも名前まで晒上げるって人ってのはどうなの?必要なくない?って思います(こっちはネットリテラシーとかの義務教育で教えるべき)。

③コスプレは大手を振ってできる趣味なのか?(コスプレをして公共の場所に行くな)

ここから、コスプレ界隈をみてきた僕の意見を話します。
コスプレの話に深堀するとさらに複雑で、コスプレは著作権或いは何らかのルールを違反しているか否かという話。
少なくとも今の日本に「コスプレ禁止法」というルールはないはずです。

コスプレは罪か

コスプレイヤーが何かのコスプレをした結果、持ってる道具が危なすぎて銃刀法に引っかかったり、露出が高すぎて何らかの法律やら条例に引っかかったり、もしくは著作権法に引っかかったり…というのはあると思うけどそれは個別具体的に論じられるべきだと思います。

ここ大事なので繰り返しますが、一般論化せずに個別具体的に論じられるべきだと思います。銃刀法や著作権法や露出やらを根拠にコスプレは直ちに罪という結論にするのは拡大解釈であり間違いだと思います。
(武器を持たないコスプレも肌をみせないコスプレも原作の許可を得ていたりそもそも原作のないオリジナルコスプレも存在します。)

ただ「著作権法は親告罪だから問題ないよ(訴えられていない状態だからすなわち何も悪くないという理論)」っていうのは個人的には間違っていると思っていて「調子に乗ると公式から刺されるよ?」っていうのは同じくコスプレイヤーが全員受け入れるべき責任と覚悟だと思うんですが、それでもやっぱり「これ以上はやっちゃいけないよなぁ~」っていうラインはあると思います。個人的にはロゴマークをデザインに利用するとか(タ〇バニのスーツのコスプレはかなり濃いグレーだと思う)はよくないと思う。あと2.5次元舞台と利益が競合するような舞台やダンスパフォーマンスも危ないと思う。

だから「コスプレは白」とか「コスプレは黒」みたいな一般論化はできないと思うと同時に、正直この辺は「時流に乗って公式さんの言ってるセリフの行間を読んで上手くやって」としか言いようがない。
なので(慣習だのバカにされることが多いですが)ある程度の界隈での自治作用・浄化作用はあってもいいと思う(晒上げていい訳ではなく、この人とは一緒に写真撮らんわ…くらいの)。
渋谷ハロウィンの問題とかはコスプレの裾野が急激に広がり、この自浄作用が届かなかった結果かなと思います。

個人的に「グレーだから」という言葉は、印籠のように使って欲しくないし、使いたくないです。
自分の行動を律する言葉として使って欲しいし、使いたいです。

コスプレを無実にする方法を探る

これはVTuberさん達もあんま話題にしていないんですけど、多くのレイヤーが口に出さないまでも頭の中で自分に言い聞かせている著作権侵害回避ロジックとしては、コスプレはファッション(洋服)なので(ロゴとか使って無ければ)著作権保護の対象にはならない…ってロジックですが、これは割と説得力がある気がします。
レイヤー的にはコスプレイヤーの行動が法律的に問題になるってケースはあまり想定できない(問題ある行動は私服でやっていても問題ある行動な)ので、レイヤー的に気にするところはむしろこっちなんですよね。

これ、多分コスプレしてない人は想像できない人多いんですが、
二次創作のコスプレイヤーさんみんな自分で衣装作ってると思うじゃないですか? …割と違うんですよ!!

みんな口に出さないのでソースになるデータ無いですけど、今日だとコスプレイヤーの半分以上はAmazonとかからコスプレ衣装を購入していると思います。SNSでレイヤーが「〇○の衣装ポチりました」って言ってたらたぶんコレです。仮に誰かが全ての衣装を自分で作っていたとしても、その誰かが一緒にコスプレ(共に作品を作って発表している)している友達が…ってところまで広げると「大半の」という解釈で差し支えないと思います。
ライセンスを得ている衣装がゼロな訳ではないですが②で話したような大人の事情で寡占状態(ビジネス戦略としては当然だが、自分たちでそのコンテンツの衣装制作を独占しようとする)なので、その衣装が値段重視で安っぽすぎたり解釈違いだったら作るか改造するしかない…それができない人は…ってなるんですが、そういった衣装が海賊版ではないと他人や自分に言い聞かす根拠も恐らくこの辺かな?…ごめんなさい、この辺の話をすると収集付かないし自分の首を絞めて窒息死するのでこの話題は棚上げ。

ただしこの辺が日本のコスプレイヤー的にはとても難しい事情で、一方で日本にはコスプレしたままイベント会場に行ってはいけないというルールを設定しているコスプレイベント主催団体さんや、そういう価値観を持っているレイヤーさんが多い。

その論拠で多いのは「コスプレは洋服じゃない(さっきと逆になる)」から。

はい、そうなんです。この辺は問題になっている「公共の場所でのコスプレ」をレイヤーの立場で語る上での最大のジレンマになります。
(銃刀法や露出を根拠にするは、さっき言った拡大解釈の話がそのままブーメランというか、こっちは無理筋だと思います。)
仮に「コスプレは洋服だから」と表明せずに仮に自分の心の中で思っているだけだとしても、これについて語るコスプレイヤーは大抵、心の中でこのジレンマを抱えて発言しています。

多分ここはみんな(個人はもちろんコスプレに関わる企業や団体、お国や自治体と絡んでるレベルのコスプレの興行に関わる企業や団体も)目を瞑っている。

余談&補足ですが「コスプレしたままイベント会場に行くな」は世界的にみるとマイナーなルールです。世界的でなくても…いわゆるオタク界隈以外ではあまり馴染みのないルールです。
例えば東京ディズニーランドのハロウィンは自宅やホテルから仮装(…と言ってますが別にコスプレとの明確な区別はないです、区別しようとしている人いるけど)してくるのを推奨していて、僕はディズニー好きなのでこれ何年か前にTwitterで書いたらプチ炎上して大量のレイヤーからフルボッコにされた…(^q^)

余談の余談ですが当時は若かったので全員にリプ返したけど…今だったら爆速でTwitterに鍵かける。余談の余談だけどここは本当に主張したくて、冒頭「多分月イチくらいで出ている話題」で話題にした通り、みんな話している視点やレイヤーが違う。オマケに大抵は「議論をしたい訳ではなく、自分の結論ありきで話題を吹っかけてきてる」ので、付き合う必要はないと思います。説明責任なんて無い。個人でさばける範囲ではない時はさっさと鍵かければいいと思います。

あと、ディズニーのハロウィン関連で言うともう一つ言うと昔はキングダムハーツの仮装は禁止だろ…って意見の人が多くて、界隈での自浄作用(晒しに近い過激なヤツも含めて)も割と効いていたんですが後にディズニーが仮装可能な作品の一覧リストみたいの出してきて「よかったんかーい!」みたいなケースもある。
(公式が昔から思っていたのが心変わりしたのかは知らないので分からない、少なくとも明文化して発表していないので断定を避けますが)これは自浄作用の負の側面がで大きくでちゃったケースだよねって意見もあります。

④じゃあ二次創作(コスプレ)は一次創作と対等か?

じゃあコスプレは絶対悪なの?、何一つ擁護できるできないの?って話の流れで、「二次創作(コスプレ)は一次創作に何らかの寄与をする可能性はないのか?」という話をしたいです。

オタクの地雷ワード

まずオタクは原作者を神(創造神)と崇めている人が大抵なので、「一次創作と二次創作は対等」という意見には結構な嫌悪感を抱いてしまいます。
このワードだけで頭がフットーしてやかんのようにピーピー鳴ってしまうオタクの気持ちは分かりますし、僕もその気持ちは分かります。でももう少し冷静に考えていこうと思います。
(この辺の補足や自己反省は余談で少し行いたい)

まず恐らく前項(コスプレは悪か)の流れで「一次創作と二次創作は対等か?」って話題をしている人が多いと思います。その流れだと、我々コスプレイヤーとしても完全な害虫ではなくて、自身が一次創作になにか寄与をしていると証明できたらとても報われる思いです。これはその気持ちが少し出過ぎてしまったのではないかな…と僕は思います。

クリエイティブは循環する

ただ、二次創作が一次創作に繋がるケース、例えば二次創作ネタ(NIKKEのDOROとか)を公式が引っ張ってきたり、同人マンガの公式化(まどマギのアラサーマミさんの同人誌が公式化したやつとか)はあると思うんですが、これらは同じ位置にいるというよりも、下から引っ張りあげられてきた…というイメージが強いかなぁ。

一方で、二次創作が一次創作に繋がるというのは個人的には補足付きで同意はできます。正確には「二次創作を担っている“アーティスト”」が「一次創作を担っている“アーティスト”」になる可能性があります。
特に日本では同人上がりのクリエイターさんが非常に多く、またそういった“アーティスト”がデビュー後も二次創作からインスピレーションを受ける事はあると思います。
この相互関係、クリエイティブの流れは常に上流と下流が存在するものではなく、循環しているものだと思いますし、それが理想だと思います。

恐らくこういう言われようの中で議論が紛糾し感情的になってるんだと思いますが、わたしたち二次創作をしている人間の立場を少しでも良くしようと思わずでた言葉なのだと思います。

ただそれを勘案しても、正直この発言は僕個人としては許容範囲を超えるものだと付け加えときます。

グッドスマイルアーツ上海[Good Smile Arts Shanghai] 勝利の女神 NIKKE DORO ドロシー ノンスケールプラスチック製 塗装済み完成品
Amazon.co.jpで購入する


巴マミの平凡な日常 1巻 (まんがタイムKRコミックス) Kindle版
Amazon.co.jpで購入する

余談&(定義によっては)二次創作というテーマからはズレますが、神に愛されないと必ず駄作になるか…というと難しいですよね。マンガの実写ドラマや映画化に伴う設定やストーリーの改変とかはオタクの中でよく荒れます。ただ、神からの評価はイマイチだった(とのあくまで噂がある…リンク先参照)けど一定の評価は得ている作品というのはたまに出てくると思います。
個人的に好きなのは「終わらない青春という”るーみっくわーるど”のタブーを踏み越えてしまった押井監督版『うる星やつら』」とか「原作者の考える少年マンガのタブーを踏み越えてしまったアニメ版『鋼の錬金術師』とか(※『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(2009)』じゃない方です。僕こっちもすごい好きなんです…知ってる人いたら語り合いたい。)」かな。

加えてプロデュース手法やプロセスは褒められないけどストーリーや技術で黙らせてしまうオーソン・ウェルズのような作品とかもあって、この辺は表現や批評の自由をベースとして「面白いは正義」「つまらないは悪」が必ずしも成立しないので難しいと思います。特に沢山の人やお金が絡む作品の成功においてはプロデューサーのそういう奇術師的な立ち回りが必要で、その末に生まれた傑作もあります。何が言いたいかというと僕もオタクでその信者のひとりですし、制作をする上での原作者へのリスペクトというのは当然あるべきです。しかし「原作者は神」という信仰を犯した末に世間から評価され、中にはそのジャンル、あまつさえ映画美術史を語る上で無視できないレベルにまでなった作品がある、もしくはオタクの中でそうして「新たな神様・信仰」が誕生することもある…という話です。

ビューティフル・ドリーマー(ピクシブ百科事典)
ロゼ・トーマス(ピクシブ百科事典)
オーソン・ウェルズ(Wikipedia)

⑤まとめ

法律による規制というのは最小限であるべきで、基本的には施設管理者の要請に従うべきです。マナーというものも存在しますが、それは他人を攻めるべきではなく自分を律する為に使うべきだと思います。

僕は、二次創作の行う人は一次創作を行ってきた人に対する謙虚さを持つことは必要だと思います。もちろん自己の利益とか承認要求とか…人間である限りそういう承認要求を消し去ることはできないと思いますが、
ただその中で、例えばコスプレ姿で街にでたり、二次創作作品を発表したりする際にはできる限りその謙虚さを持っていたいですし、忘れたくありません。

終わり

結論ほとんどないです…棚上げです。ただ、それぞれの人がどういう視点から何を守ろうとして何を大切にしていて、そういう発言をしたのかしているのか…この記事を想像するきっかけにしてくれたらとれも嬉しいです。

About記事ジョウホウ

  • 昔コスプレをしていた人が話す万博でコスプレイヤーがうんぬんの話紹介画像
タイトル

昔コスプレをしていた人が話す万博でコスプレイヤーがうんぬんの話

担当者
スタッフ